必要なのは「膨大なムダな書き込み」by あなたを天才にするスマートノート(岡田斗司夫 著)

あなたを天才にするスマートノート(岡田斗司夫 著)

今日読んだ1冊をご紹介します。

あなたを天才にするスマートノート(岡田斗司夫 著)

『レコーディング・ダイエット』の岡田斗司夫が伝授する、新しいノート術!

発想法から、「楽」に、「面白くなる」ための方法まで。岡田斗司夫が10年以上かけて作り上げたノート術、「スマートノート」のシステム、始め方、続け方を伝授!

簡単に始められ、続けられる。楽になる。面白い人になる。「わかる」瞬間が来る。そしてあなたはいつしか「天才」に。

 

本書を読み、私の心に響いた箇所をご紹介します。

 

鉄鋼王カーネギーに学ぶ「悩みや苦しみの本質とは」

アンドリュー・カーネギーという人がいます。アメリカの有名な実業家で、鉄鋼王カーネギーと言えばご存知の方も多いと思います。

ある夜のことです。彼は、あまりに多くの悩みを抱えてノイローゼのようになり、自殺まで考えていました。

「不倫相手の女性から連絡が入り、子供を認知して欲しいと言ってきた」「親戚の全員が問題を起こしていてもみ消さなきゃいけない」「ろくでなしの甥っ子が警察沙汰の事件を起こし、身柄を引き取りに行かなくちゃいけない」「政治家からの不当な圧力で、会社が存亡の危機に陥ってる」「妻から今夜食事に付き合ってくれなければ離婚すると言われてしまった」

身の回りのことから仕事まで、すべての危機が同時に頂点に達していた瞬間だったのです。

もうダメだ、限界だ、とカーネギーは思いました。遺書を書いて自殺しよう。そうカーネギーは決心し、机の引き出しを開けました。

引き出しにはもちろん護身用の拳銃が入っていたのですが、その下には自分の名入りの立派な便せんセットがありました。

「ああ、自殺するんだったら遺書を書かなくちゃ」 カーネギーはそう思って苦笑します。まったく、自殺する前にもひと仕事しなきゃいけないのか……。

遺書を書く段になってカーネギーは考え込んでしまいました。

「死にたいぐらい悩んでいるんだから、さぞかし自分には深い悩みが多いんだろう。いったいいくつぐらいあるんだ?」

わかんなくなっちゃったカーネギーは、黄色い便せんと鉛筆を持ち出し、思いつく問題や悩みをすべて書きだしたそうです。

当時、カーネギーは「世界で一番忙しい男」と言われていました。 仕事だけでなく、家族関係を含めると、悩みは絶対に何百もあるに違いない。ひょっとしたら1000個ぐらいあるんじゃないか?

ところが、箇条書きにしてみると、60個ぐらい書いたところで、鉛筆がピタリと止まったそうです。思い出して考えて、とりあえず「もっと悩みはあるはずだ」と些細な問題まで書き出します。

しかし、あんなにたくさんあると思っていた悩みは、結局70いくつぐらいしかなかったのです。

普通の人では70も悩みがあれば多いと思います。でも自分の問題や悩みは何百もあると思っていた彼は、あれ?と思ったわけです。

結局、70個の悩みを順繰りに次から次へと考えていたことで、自殺をしようと考えるほど追いつめられていたのです。悩みを書ききった瞬間、今夜中に解決できることはほとんどどないことに気がつきました。

カーネギーは悩みを書いた便せんを、問題ごとにちぎってカードみたいにし、それを仕分けし始めました。

「明日できること」 「来週以降に着手できること」 「来月でも間に合うもの」 「解決できないこと」 という4つの山に分けて、その4つ目の山はそのままくず箱に入れてしまいました。

残った3つの山、自分の悩みを書いた便せんの切れ端をカーネギーは大事に机の引き出しにしまい、そのまま彼は奥さんと夕食へと出かけたそうです。

もうすっかり、拳銃や自殺のことなど忘れて。

 

そうか、悩みの本質、苦しさの本質というのは、「複数の問題を頭の中でグルグルと回している状態」から生まれるのだと気付きました。

これを私は「頭の中でジャグリングしてる」と呼んでいます。ノートを取らずに悩むことは、悩みをジャグリングのように空中で回しているのと同じことです。

本来、悩みの解決に使うべき脳の容量をジャグリングに使っている。だから、あんなに悩むのは疲れるんです。だから、悩んでも答えが出ないんです。

まさに、そう。悩んでいる時って、ほんと同じことばかりを考えてしまいます。

そして、心の中はただ不安でいっぱいで、その不安を感じて、どうしよう、どうしようと、同じところをグルグル回っているだけのような氣がします。

その悩みと同化している状態では見えないことも、それを離して見ることで氣づくことがある。

それが「頭の中にあることを書き出す」ということです。

 

考えるということは解決法を考えることではない

多くの人が物事を考えるとき、すぐに解決法を考えてしまいます。解決法を考えることを「考える」と思っている人があまりに多い。

基礎工事である「なぜ?」を充分に吟味せず、手っ取り早く答を見つけようと「じゃあ、どうする?」と解決法を考えると、ロクな答は得られません。

地盤がゆるゆるな状態で上方向に論理を組み上げると、小さな建物になるか途中で倒れてしまいます。いびつな論理になったり、取ってつけたような建物になってしまう。論理が組み上がらずにグルグルと同じことを考える、悩んでいるのと同じ状態になってしまいます。

論理は「なぜ?」の部分をしっかり考えると、自然に上方向の「ということは」が生まれてきます。

土地に見合った構造物になります。 「仕事、やめたい」と思った時、「じゃあどうしよう?」「次の仕事、なににする?」といきなり考えてはいけません。「なぜやめたいのか」を充分に考えること。

「なぜやめたいのか?」という疑問の中に、絶対に「次の一手へのヒント」が隠れています。

朝、起きるのがイヤなのかもしれない。女性だけの職場がイヤなのかもしれない。座りっぱなしの、あるいは立ちっぱなしの仕事がイヤなのかも。お客さんを騙すような仕事がイヤなのかもしれない。

「なぜ、やめたいと思ったのか?」を充分に考えると、「じゃあ、どうしよう」は勝手に生まれてきます。

この「なぜ?」を見つけないと、また同じようなことが起こってしまうのかもしれませんね。

人は早く解決方法を探したいと思いますが、このプロセスを経ないと本当の解決方法は見えてこないのかもしれません。

 

面白いアイディアや新しい概念は人との対話から生まれる

自分の中だけで考えているより、人と話したときの方が、新しい発見や気付きが生まれやすい。

私の経験上でも、面白いアイディアや新しい概念が生まれる場合、人との対話がきっかけになることがほとんどです。

私もコーチングセッションをしていてそれを感じることが多々あります。

さらに、自分のことを考えるより、相手のことを考えている時の方が不思議と良いアイデアが生まれてくるのです。

 

「ムダに書いたページ」が豊かな土壌を作る

脳の開発は、農業です。だからこそ、私たちは「ムダに書いたページ」を大事にしなくちゃいけない。

ムダに書いたページや検索できないメモ、アイデアの断片や論理的思考の過程。それらの「これまでに書いたノートの中身」は、すべて膨大なノートのバックナンバーとなって、あなたの脳内に蓄積します。

これが豊かな腐葉土を作る。だから「忘れてもいい」「検索なんかしなくてかまわない」のです。

必要なのは「膨大なムダな書き込み」です。

いいアイディアとは、毎日毎日ムダなページを延々と使って、同じようなことを何回も何回も繰り返し考えて、ダメなアイディアを山のように積み上げた上にできあがるものです。

いわば、山のように積み上がったアイディアが腐って頭の中で腐葉土のようになるという状態です。

豊かな土壌は畑を耕してその中に腐葉土を混ぜることによってできあがります。

 

私もこの本を読んで、早速ノートにいろいろと書きたくなってきました。

ちょっとノートを買いに行ってきます。

篠原伸介

ABOUTこの記事を書いた人

パーソナルコーチ。株式会社SKIP 代表取締役。システム開発会社にて通信分野のシステム開発・企画を経て、独立。パーソナルコーチングの他、個人や企業のメディア戦略をサポートしている。