はじめての電子書籍「第二章 KDPの活用」

前回より「はじめての電子書籍」というテーマで、コラムをお届けしています。

「はじめての電子書籍」は、四章立てで構成しています。

第一章 電子書籍の現状
第二章 KDPの活用
第三章 電子書籍の作り方
第四章 出版と販売

 

今回は「第二章 KDPの活用」についてお話しいたします。

第二章では「KDPの活用」と題して、KindleDirectPublishing、略してKDPと呼ばれる、Amazonの電子書籍プラットフォームを活用することの可能性についてお伝えいたします。

 

本章では、Amazon電子書籍の可能性について、5つの視点からお伝えしていきます。

Amazonというプラットフォーム

まず、1つめが「Amazonというプラットフォーム」についてです。

ウェブサイトの訪問者数ランキングというものがあります。

ここ数年、Yahoo! JapanとAmazonが毎年1位、2位を争っています。

年間6,000万人ぐらいの人がサイトに訪れていることになります。

 

Yahoo! Japanは想像できるかもしれません。

インターネットのポータルサイトにしている人も多く、そこで毎日のニュースを見たりしている人も多いのではないでしょうか。

そして、それと同じくらいAmazonにも人が訪れているのです。

 

Amazonでは、本だけでなく、日用品から電化製品までさまざまなものが売られています。

Amazonに日々人が訪れて、そこでキーワード検索し、お目当てのものを買う。

また、売れ筋のランキングを見たり、行動履歴から分析されたおすすめを見て、新たに購入する。

このようにAmazonが、私たちの買い物のプラットフォームになっているのです。

 

そのAmazonで電子書籍を出版するということは、この巨大のプラットフォームに自分の商品が並ぶということです。

最近では、Amazonは、AmazonミュージックやAmazonビデオなどのようにオンラインコンテンツにも力を入れています。

そして、この電子書籍もオンラインコンテンツのひとつです。

Amazonは今後、さらにこのオンラインコンテンツにも力を入れていくのではないかと私は考えています。

なぜならば、オンラインコンテンツは物流が必要ないからです。

 

物理的な商品は、倉庫から在庫を探し、商品をトラックに積み、トラックを全国に走らせ、人が商品を届けます。

ここにはさまざまな経費がかかります。

しかし、オンラインコンテンツであれば、コンテンツをダウンロードするだけです。

決済のプラットフォームも仕組み化されているので、他に何もする必要はありません。

こんなに利益率の高いビジネスはありません。

であれば、オンラインコンテンツに力を入れるのは当然の流れだと考えます。

だからこそ、Amazonは紙の書籍よりも電子書籍を売る方にさらに力を入れていくのではないかと考えるのです。

Amazonで電子書籍を販売するということは、この巨大なAmazonのプラットフォームに自分の商品が乗るということです。

このようなプラットフォームを無料で利用できるというのはすごいことだと思いませんか?

 

検索エンジンとAmazon内検索

次に、2つめが「検索エンジンとAmazon内検索」についてです。

インターネットの世界において、SEO(Search Engine Optimization)と呼ばれる技術があります。検索エンジン最適化とも言われます。

Googleなどでキーワード検索したときに、サイトが上位表示されるかどうかはこのアルゴリズムが影響しています。

その基準となるのが、記事の質、サイトの運営期間、更新頻度など、Googleが決めたアルゴリズムによってウェブサイトの順位が決まってきます。

このウェブサイトの住所にあたるものをドメインと呼びます。

***.comとか、***.jpとか、そういったものがドメインと呼ばれるものです。

SEOを上位表示させるということは、このドメインを育てていくことなのです。

そして、自分のウェブサイトやブログを作って、それを上位表示されるためには、SEOを意識してコツコツ更新するなど、とても時間がかかるものなのです。

 

しかし、Amazonで電子書籍を出版するということは、Amazonのドメイン(amazon.co.jp)の中に自分の商品のページができるということです。

つまり、このAmazonのドメインを利用して、自分のページを短時間で上位表示させることができるのです。

amazon.co.jpというドメインは、SEOとしてもものすごく強いのです。

したがって、そこにあるページというのは、検索上位に上がりやすいのです。

 

また、6,000万人もの人がAmazonに訪れ、Amazon内での検索も行われています。

たとえば、私は「願望実現のためのコインの法則」という本を書きました。

したがって、Amazon内で「願望実現」とキーワードで検索すると、私の「願望実現のためのコインの法則」という本がヒットするようになっています。

また、このようなタイトルに入っているキーワードだけではなく、自分が出版する電子書籍に、タイトル以外に7個までキーワードを設定することができます。

そして、そのキーワードで検索したら、その本がヒットするようになっているのです。

 

たとえば、先ほどの本では、「コーチング」というキーワードも設定しています。

したがって、Amazon内検索にて「コーチング」というキーワードで検索すると、「願望実現のためのコインの法則」という本もヒットするようになっているのです。

電子書籍を出している人はまだまだ少ないため、あなたの売りたいジャンルではまだ競合が少ないかもしれません。

お時間のある時に、Amazon内検索でさまざまなキーワードで検索してみてください。

そうやってAmazonの仕組みを観察していくことで、いろいろなことが見えてくるのです。

 

Amazonマーケティング

3つめの視点は「Amazonマーケティング」についてです。

Amazonを利用したことがある人は、このような表示を見たことがあるかもしれません。

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」

この関連商品を見て、あなたも商品を買ったことはありませんか?

これがAmazonのすごい仕組みのひとつなのです。

 

自分の書籍を出版しても、それだけではなかなか売れていきません。

この関連紹介の仕組みを活用することによって、自分の書籍をAmazonの仕組みによって拡散させてもらうことができるのです。

そのためには最初の初動の売れ行きを作っていく必要があります。

その初動の動きを作ることができれば、あとはAmazonの仕組みに乗って売れていく流れを作ることができるのです。

 

また、AmazonにはAmazonランキングというものがあります。

このランキングは、カテゴリごとに細かく分かれており、自分でカテゴリを設定できます。

電子書籍を出版している人はまだまだ少ないため、今なら上位にランキングされやすいのです。

カテゴリによっては、ガラ空きのジャンルもけっこうあります。

ぜひあなたの専門分野のカテゴリで、どのくらいの電子書籍が出版されているかを観察してみてください。

そこにチャンスが見えてくるかもしれません。

 

専門家としてのブランディング

4つめは「専門家としてのブランディング」についてです。

Amazonで電子書籍を出版すると、著者ページというものを作ることができます。

著者ページにプロフィールを掲載し、そこに自分の著書を並べることができます。

amazon.co.jpというドメインが強いので、この著者ページも検索上位に上がりやすいのです。

自分の専門ジャンルに関するテーマで本を書けば、そのキーワードで検索した時に自分の本がヒットします。

 

また、例えば、初めて会った方と名刺交換をした時、その人に興味を感じたらネットで検索する時代です。

名前で検索すれば、その人の情報に行き着く時代です。

そういう時代にAmazonに著者ページがあるということは、ひとつのブランディングにもなります。

 

本を書くということは、あらためて自分のコンテンツを体系的にまとめるということです。

ブログは、どうしても断片的になりやすいメディアです。

しかし、電子書籍として、きちんと構成を考えて本にすれば、体系的なかたちのコンテンツができます。

それは少し労力がかかることかもしれませんが、それは財産にもなるのです。

 

そうやって、一度体系的にまとめておくと、それを活用し、ブログやメルマガに再度編集して使うこともできます。

そうやって、構成を考えて書いたものの方が伝わる文章になるのです。

このように電子書籍を積み重ねていけば、あなたのブランディングができてきます。

これをすでに成熟期のメディアで出してもなかなか見てもらえないものです。

しかし、今ならば、この電子書籍というメディアを活用することに、大いにチャンスがあると感じています。

 

私もこの電子書籍をきっかけに、新たなビジネスのお話もいただきました。

実際こういうことが起こってくるのです。

あなたの身近な方で電子書籍に本氣で取り組んでいる方はいらっしゃいますか?

まだまだ少ないのが現状ではないでしょうか。

そういう今だからこそチャンスがあるのです。

 

印税収入とKindle Unlimited

最後、5つめが「印税収入とKindle Unlimited」についてです。

「10%」と「70%」

それぞれ何の数字だと思いますか?

これは、紙の書籍の印税率と電子書籍の印税率です。

紙の書籍は、著者の実績などにもよるため、さまざまですが、5%〜12%と言われています。

たとえば、10%とした場合、1,000円の本が売れた場合、著者に入る印税は100円です。

しかし、電子書籍であれば700円にもなります。

私の場合は500円で販売しているので、500円の70%の350円(正確には税が引かれて323円)が印税収入となります。

 

紙の書籍の場合、3,000部とか5,000部単位で増刷されますから、それが印刷された時点で印税が入ります。

一方、電子書籍は1冊単位で印税が入ります。(実際の入金は、月末締めで60日後に振込されます)

また、紙の書籍は1日に200~300冊出版されていると聞きます。

そのため、売れている本と新刊以外はすぐに店頭から下げられてしまうと聞きました。

実績がなければ、大型書店以外の地方の書店などに置かれるのも難しいのでしょう。

 

一方、電子書籍は常にAmazonにて販売されている状態です。絶版にもなりません。

だからこそ、自らのプロモーション次第で電子書籍は長期的に売れていく可能性があるのです。

そして、Amazonの仕組みによって、売れればさらに売れるという流れが生まれていくのです。

 

さらに、Amazonでは、2016年にKindle Unlimitedという読み放題サービスが導入されました。

読者にとっては会費制の読み放題のサービスですが、著者にとっては読まれたページ数に応じて印税収入となる仕組みです。

毎月変動していますが、現在ではおよそ1ページ読まれるごとに約0.5円の印税収入になります。

つまり、購入されずとも、読み放題サービスによって読まれるだけで著者に印税収入が入ってくるのです。

これは積もり積もればけっこう大きな額になってくるものなのです。

 

以上、5つの視点で電子書籍の可能性についてお伝えしてきました。

ぜひこれらの可能性に気づいていただきたいと思います。

 

今回の内容を聞いて、自分も電子書籍を作ってみようかなと考えるようになった方もいらっしゃるかもしれません。

そのような方のために、次回のコラムでは、「第三章 電子書籍の作り方」と題して、実際に電子書籍をどのようにして作ればいいのかという具体的な作り方についてお伝えしようと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ABOUTこの記事を書いた人

パーソナルコーチ。株式会社SKIP 代表取締役。システム開発会社にて通信分野のシステム開発・企画を経て、独立。パーソナルコーチングの他、個人や企業のメディア戦略をサポートしている。